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平日は仕事で、金土の夜に同僚との飲み会があって、最初からは土曜日の昼間に会うようになってた。
言われたことなかったのに、中島はいつも土曜日の昼の時間をちゃんと空けといてた。
菊池は乱暴な性格ではない、むしろ優しいと言える。
拒まれたら、すぐ手を引くことにする。
2度としない。
「ふーま、もう無理…」
中島は一回言ったことある。
そして、あの人はすぐ中島の体からものを抜いて、去っていた。
裸でベッドの上に転んだまま、捨てられた気分は2度と味わいたくない。
気づいたら、中島はもう菊池のいいなりになっていた。
僕を捨てられないうちに、なにされてもいい、なんでもいいから。
最初すきになった人は負けた。
この関係には、ずっと敗者だってこと、中島は十分わかってる。
でも、会いたい。
友だちのままじゃ足りない。
あの日やっときた。
会社の飲み会から、酔っ払った菊池を家まで運んできた。
シワシワになったスーツを脱いてあげただけで、手が震えて、進まない。
この人の隣で寝ることすら幸せすぎて、涙が出そう。
アルコールの匂い、そして、風磨の匂いする。
そのまま、中島寝込んでた。
?
誰かにキスされてる。
目覚めた瞬間、両手は縛られて、頭の上に置かれた。
反抗する前に、耳に風磨の低い声した。
「オマエずーっとこれ望んてだじゃない」
「オレ気付くんだよ、俺のこと大好きな子の目線」
だから、中島はあがくこともなく、そのまま挿された。
痛いからか、幸せだからか、目から液体出ていた。
あの日から、半年も経った。
経験のない体はすっかり抱かれることに慣れてきた。
前は触れなくても、後ろだけで行っちゃう。
そして、ある日にドア開けたら、小さいカバンを持っている菊池がいた。
そのまま同棲し始めた。
毎週の土曜日にすることは毎日のようになっていた。
さすかに抱かれる方に体の負担が大きすぎって思ってたとたん、「辞めれば」と言われた。
次の日に、大学4年間にずっと憧れてて、やっと入れた会社に辞令を出した中島がいた。
たまに友だちと出かけて、時間を忘れたら、帰ってから、真っ黒な家に、菊池は一人でリビングルームの床に寝ていた。
友だちとだんだん連絡を切って、菊池のものになってた。
朝仕事しに行く菊池を見送って、夜玄関で膝を抱えて、床に座って帰ってくる菊池を待つ。
「今日もいいこだったね。」
こう言われて、頭をぽんぽんされるだけで、心いっぱいになるんだ。
今日、菊池は飲んでから、戻って来た。
手を引っ張られて、リビングルームの外にあるベランダに行った。
もぐもぐした部屋着を一枚ずつ脱がれた。
寒い秋の風で、中島は体が震えてる。
「嫌?」
思いっきり頭を振っていた。
嫌じゃない、風磨になにされても嫌じゃない。
だから、捨てないで。
ふふ。
風磨は笑ってた。
手を壁に置かれて、顔も壁に向いてた。
壁とはいえ、ただ隣と共有するベランダを半分したちょっと厚い木の板。
開放式なベランダだから、隣からこっちのこと見えなくても、聞こえるんだ。
「脚開けて、力抜け」
後ろにいる風磨の指示通りしたら、隣の窓から、電気の光がした。
おそらく、隣の人が家に戻って来た。
そして、カーテンが動いてて、ベランダのドアが開いた。
!
風磨に言おうとした中島は後ろを見たら、目があった。
望んてるところだって。
慣れてきた体はうまく菊池のものを飲み込んだ。
口を抑えようと思ったら、手が引っ張られて、後ろに縛られた。
「うっ!」
聞こえられちゃう!
「昨日あいつと話した。」
風磨の低い声がした。
「オレが寝てると思ってたよね。」
「ん、あぁ」
声を殺すのも必死だった。
「健人…くん?」
体がぶつける音が隠されない。
僕の名前を呼んでいるのは隣に住んでいるマリウス葉、16歳のハーフのこ。
一人で母の国に来て、国際高校を通ってる。
昨日たまたま眠れなくて、ベランダに来たら、隣から音楽がかかってた。
勢いで話したら、大人らしい声の持ち主は意外と幼い。
ドイツ出身の彼は天真爛漫な性格で、仲良くなりそう。
それで、今のことになった。
「ほら、健人くんって呼んでるよ」
「返事しなくていいのかよ」
お願いだから、マリウスちゃん、早く部屋に戻って。
結局、とにかく声を我慢したまま、返事せずに済んだ。
風磨は出かけた。
体がだるくて、ベッドから出たくない。
最近はずっとだるい状態で、一日中ベッドの上にいって、風磨がお持ち帰りした晩御飯はすべて。
なんの音がしてる。
そうだ、ドアのベルだ。
風磨は鍵持ってるから、久々にベルの音した。
ベットから出て、誰だと思ったら。
「健人…くん?」
ドイツ人だから、くんつけに慣れてないマリウスの声した。
2。
入社した頃から、あの人に惹かれた。
1年上の先輩で、かなり会社の中での人気者。
外見はとにかくかっこよくて、顔にいつもやさしい微笑みが出ている。
独身で、大手企業の営業部で働いてて、イケメンで。
おれと全然違うタイプで、狙われやすい要素がいくつも重ねて、期待できるその男は毎日女子社員に囲まれてる日々を送ってる。
おれは小さな弟と妹がいて、家族内のシェア精神が結構大事にして、育てられてた。
家族内の話だったらね。
正直、人の大切なものを奪いたがるんだよ、オレが。
家には、なにを弟と妹にしてあげるなんであまり前のことになってるけど、家から一歩出たら、意地悪な部分が抑えられなく、出てくるんっすね。
あのひとをみんなから奪いたのはとくにむずかしいことじゃなかった。
もう顔に出てるからね、中島がおれのことが好きってこと。
ちょっと酔っ払ったふりしてから、予想通り家に運ばれて、あの人をおれのものにした。
おれは経験が多いほうって思うが、実は男とやるのが初めて。
でも、中島の体がすごく柔らかくて、肌も女に負けないぐらいきれいで、さらに、いった瞬間の顔がとにかく最高にエロくて、気持ちよかった。
おれの前に、あいつが男とも女とも経験ないことにちょっと意外だったけと。
プレイボーイな顔してたくせに。
ま、初めてをもらわれたほうがより支配されやすい。
おれの言うことを考えずに聞くっていうのをまず身に教えてた。
やられた後の中島の捨てられた子犬みたいな目が面白すぎて、ついやり過ぎたこともある。
おれ、毎回思うんだよ。
泣きそうな顔しながら、おれの無茶な要求を迎合する中島を見って、おれもしかして、メンタリストに向いてるかも、と思うんだよ。
外の世界から、中島をしっかりおれの一人のものにした。
みんなから奪ったっていうが、おれは中島の人生を壊した。
家にはおれの身元を明かすものを全部処理して、今住んでるアパートも中島の名義で契約されてて、そして、来週からおれをスカウトした新しい会社で働き始めるから、おれはいつでもこの歪んだ関係から抜け出れる。
人生も崩れて、そのなかにはおれしかない中島はどうなるか知らない。
別に、考える必要もない。
遠いところで新しいアパートを借りて、今の会社を辞める同時に引っ越そうと思ってた。
その前日のよる、最後に中島とやった。
最初の時よりすっかり敏感な体になっている中島がなんとなく何かを感じてたように淫てた。何回もいってしまって、シートはかなりビッショビショだった。
夜中起きたら、となりに中島がいない。
そして、ベランダから中島と知らない人の声がした。
おれもうすぐいなくなるから、別にいいじゃない。
と、思ってた。
でも、次の日に、新しいアパートで中島がいない新たな生活を送るつもりだったおれは、このアパートに毎日のように戻ってきた。
新会社は中島のアパートから結構な距離があって、通うのが大変だった。
明日から、明日から必ず新しいアパートに帰れ。
と、何度も決意したのに、体が自分のものじゃないように、勝手に中島のところに戻ってきた。
ドアを開けて、玄関で子犬みたいにおれの帰りを待ってた中島に会うのが楽しみの一つになってるようだ。
「おかえり、ふーま。」
まじ子犬みたいに、目がキョロキョロしてる中島がいた。
思わずに、「ただいま。」って。
今まで、一度も言ったことないのに。
獲物のところは家だって思ってなかったから。
中島の目が一気に光ってた。
その瞬間に、
やばい。
おれは自分に言った。